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世田谷美術館

 ケヤキの葉の散り敷くなか、世田谷美術館に行ってきました。
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 現代の美術作品の中で、コンテンポラリーアート、と呼ばれるジャンルの作品を網羅的に展示する、という、小さな百科事典のような試み、という印象でした。収蔵品を用いて、という制約の中で、意欲的な展示構成だと思う一方、お宝を並べました、見てください、という印象もぬぐえず。d0264981_14211730.jpg
 わたし個人の趣味から言えば、「騒然」とした「現代美術」の中で、舟越桂の木彫が、途方に暮れて遠くを見つめているような気がしました。駒井哲郎と舟越桂を、独立した展示スペースの中で鑑賞したかった・・・
 第3章のコーナー展示(柳原義達のブロンズとルオーの版画を、素描と共に展示)が魅力的でした。今度西洋美術館で行われる企画展にも通じる、創造過程の展示。いかにして作品が生み出されるのか、という、道程。

 続いて、前回の記事でお知らせした「アトリエ・アウトス展」を鑑賞したのですが、市川浩志さんの作品は「別格」という感じでした。こちらも立派な「コンテンポラリーアート」。世田谷美術館企画展のバスキアやニキ・ド・サンファールと同室に並んでいても違和感はないのではないか、という印象すら受けます。

 「現代美術」の中でも、特に「激情的」な方法で表現している作品が、人間の感情をあえて逆なでするような、意識的に「混沌」をさらけ出すことによって成立しているのに対して、市川浩志の作品は、「氾濫」「過剰」という言葉がふさわしいほどに「色彩」を用いているにも関わらず、落ち着いた秩序ある空間を作り出しています。
 意識して学んだ、というわけではないはずなのに、ネイティブインディアンやアボリジニ・アート、あるいは縄文土器といった「文化的遺産」の持つ民俗的・土俗的な懐かしさに通じるものを持っているのはなぜなのだろう。「自閉症」という「特性」を持つ彼の中に眠る非凡な才能、「集合的無意識」に触れ、そこから自らの肉体を濾過させて「なにか」を取り出す才能を持ちながら、それを十二分に発揮できずにいたであろう彼の中に、表現、への欲求を見出した「他者」の存在。表現する場、表現する方法を用意した「他者」の介在。
 人と人との間、と書いて人間と読む、としばしば言われますが、人間の芸術とは何か、ということを、改めて考えさせられた展覧会でした。
 両方とも、11日までです。
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by yumiko_aoki_4649 | 2012-11-07 14:27 | 美術展感想 | Comments(0)
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詩や詩に関わるものごとなど。


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