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小林秀雄再考

大学入試センター試験、国語の平均点が大きく下がった、という。
小林秀雄が難解かどうか、それは好むか好まざるか、という審美眼の問題にも関わるだろうけれども、
彼のように直観的に物事を感得し、それを散文詩のような飛躍した形態で提出する作家の文体は、
点数をつけなければならない試験には本来不向きであろう、と思う。
小林秀雄の文章を読み、思うところを述べよ、という小論文の設問ならまだしも・・・

行間に余情や言葉にならざる情緒が潜む。その広がりの大きさは、言葉の飛躍に比例する。
それは、漢文を読みなれていた戦前の文学者たちには容易に越えられる距離かもしれないが、
現代の若者には千尋の谷より広い懸隔なのではないか。
あるいは・・・一つの文章に、おおよそ正しい解釈、というものが一つ対応する、
そんな試験用の文章を読みなれた者にとっては、多種多様の解釈をゆるし、
しかも一つの情緒に収斂していく、というような直観的な彼の文体は、読解不能であるかもしれない。
読み解く、のではなく、感じて、それを言葉で語る、のであるから。

残念なことだが、言わずともわかることを解説するのは無粋、というような、
ある種高踏派的な矜持はこの際脇において、様々な分野の「有識者」が、
それぞれ小林秀雄を読む、というような形でそれぞれの「卓見」を披露する文集のようなものが
あれば楽しい、と思う。おそらく、一つのテキストが、多種多様の展開を見せるだろう。
小林秀雄の文章は、それを読むひとりひとりに、それぞれ別箇の詩情をもった世界を開くであろうから。
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by yumiko_aoki_4649 | 2013-01-24 14:49 | 随想 | Comments(0)
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詩や詩に関わるものごとなど。


by まりも
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