Yumiko's poetic world

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炎天

燃え盛るカンナの中を
一本の直線が
のびて のびて
おまえの大きな靴が
自分一人の影を踏み抜いていく
入道雲をかき分ける大きな手のひら
一年で五センチも伸びたTシャツの背に
世界地図が滲んでいる

おまえが振り向かなくなったのはいつから
歩幅が釣り合わなくなったのはつい先ごろ
戯れるようにいなくなって
背もたれのように戻ってくる

おまえのまぶしさは
本から文字を払い落として
世界を名付け直すその手振り
歩み入る孤独な平野から
持ち帰るしたたりが
部屋をうずめ
家を満たす

窓を開けよう
光を導き入れるおまえが
あふれかえるものに溺れないように
流れ出す新しい姿が
燃え盛るカンナの中に
まっすぐ道を拓いていく
もう手をひかなくてもよいのだ
私は刻まれた足跡をくずさないように
過ぎ去った影をかたわらに感じながら
赤土の道を歩き続ける

ユリイカ9月号 投稿欄入選

日和さんの選評が、温かくてしかも伝えたい事を見事につかんでくださっていて、とても嬉しかったです。
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by yumiko_aoki_4649 | 2014-09-13 21:49 | 詩、エッセイ | Comments(0)
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詩や詩に関わるものごとなど。


by まりも
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